東北を代表する霊場「出羽三山(でわさんざん)」。
羽黒山・月山・湯殿山の三山を巡ることは「生まれ変わりの旅」とも呼ばれ、古来から多くの参拝者を惹きつけてきました。
今回は、私が実際に仙台からレンタカーを借り、車で行ってきた記録を記事にします。
1泊2日で出羽三山へ参拝した体験をもとに、アクセス・所要時間・参拝の順番、そして持ち物や注意点をまとめました。
この記事では2日目の月山と湯殿山について紹介しています。
実際にかかった時間や注意点・泊まったホテルや日帰り温泉の情報も!
これから参拝を考えている方の参考になれば嬉しいです。
(2025年8月中旬に行ってきた記録です)
※1日目の羽黒山神社についての記事はこちらです👇
出羽三山とは?

出羽三山は山形県の中央部に位置する「羽黒山」「月山」「湯殿山」の総称です。
それぞれの山を巡ることは「過去・現在・未来をめぐる旅」とも言われています。
この順番でお参りすることで、生きながら生まれ変わりが出来ると言われております。
なお、この記事では車で出羽三山を参拝するため、レンタカーをお考えの人はお早めに予約を
2日目【月山8合目】へ移動

朝8時。
前日まで宿泊していた「天童セントラルホテル」から車で出発します。

前日に温泉で体を休めたつもりだったが、結構体の疲労がある…。
ちなみに、2日目は月山8合目まで車で行き、8合目にある「月山中の宮 御田原参篭所(がっさんなかのみや みたはらさんろうしょ)」参拝。
その後、湯殿山神社へ行き、仙台に帰るという予定を立てました。
月山8合目までナビを設定すると大体所要時間の予定は約2時間。
1時間30分ほど走らせ、「あと30分か~」と思っていた頃。
ここから、月山の8合目に行くことの大変さを実感することになります。
地図上でいうと、このあたりからですが、道幅が車2台がギリギリすれ違えるかな?くらいの細い道になります。
しかも登るにつれて、さらに道幅は狭くなり、頭文字Dを見たことがある人なら分かるかと思いますが、カーブが急なヘアピンカーブが続きます。

↑これはまだ広い方の道です。

基本的にカーブの先が全く見通せない道の連続。
登り坂でかつ道幅も狭く、8合目から降りてくる対向車の車も来ます。
「こんなところでスピードを出して降りてくる車なんていないだろ~」と思いましたが、普通にいます。
スピードというか、対向車が来ることを想定せず、道幅いっぱい使って降りてくる車もいるので、本当に気を付けて行ってください。
事故にならないように、スピードを緩めながら、「常に対向車が来るかもしれない」運転で、8合目を目指しました。

運転に自信のない人は、車で8合目まで行くのはかなり恐怖を感じるかと思います。
とはいえ、この景色は綺麗。
あと10分ほどで8合目到着といった途中にあった大きめの待避所から撮った風景です。

そして、神経をすり減らしながら8合目まで車を走らせると…。


めちゃくちゃ絶景!!!!
そしてすごい晴れてるー!!!!
時刻は10時40分。
出発の8時から朝ごはんを食べたり休憩したりで2時間40分かけて月山8合目に到着しました。
山なので標高も高く、きっと8合目は霧がかかっていたり雨が降っているだろう。
山を舐めちゃいかん。
そう思い、ワークマンで買った愛用のカッパ。
雨の日のための靴カバーも持ってきましたが、ありがたいことに今日は必要なかったです。

駐車場のすぐの「月山レストハウス」でご飯も食べられますが、早く8合目の「御田原参篭所」に行きたい!と思い、登り始めました。
※ちなみに、8合目のこちらにトイレもありました。
1回の使用に100円。使用料のお気持ちとして入れる箱があります。
こんな山の高いところにあんなに綺麗なトイレがあること自体、本当に感謝ですし、お気持ちとしてもちろん使用回数分、お金を入れてきました。

自分自身、どこに行ってもトイレがあることが当たり前となっていましたが、当たり前じゃない。大変な思いをして整備をしてくれている人がいることを改めて気付かされました。
月山8合目から「中の宮 御田原参篭所」まで

8合目の駐車場から約8分ほど歩くと、「月山中の宮 御田原参篭所」にたどり着きます。
その道は、きれいに整備されており、普通のスニーカーで歩くことが出来ました。
月山レストハウスの右側の石段から入り。

登るとすぐに分岐の看板があります。

右側は「弥陀ヶ原湿原」となり、トレッキングや高山植物を鑑賞・撮影したりするコースとなります。
月山は、雪の厳しい環境から、通常3,000m級の山でしか見られない高山植物の宝庫なんだとか。
参拝以外でもそういった鑑賞目当てで訪れる方は右側のコースに行くと、たくさんの美しい植物たちに出会えます。
ただ、私の今回の目的は左側のこっちです。


左側のコースを進んでいきます

登るまでは、ずっと動画を撮っていて、そのスクリーンショットなので少し画像が荒くて申し訳ないのですが、本当に嘘みたいにきれいな風景でした。
ここは、この世ではない違う場所なんじゃないかと錯覚する感覚。

そして登ると、ついに8合目の御田原参篭所が…!!!
月山8合目「中の宮 御田原参篭所」到着

時刻は11時。到着です。
すごく空が近くて、ブルーの中でも本当に「青」に近い空が目の前一面に広がっていて、
あの感動は、鳥肌が立ちますし、今でも思い出すと鳥肌が出ます。


今年はスケジュール・体力・経験値から8合目までのご挨拶となりますが、来年はこちらの鳥居をくぐって、本宮へ行きたい。
そうすごく決意した不思議な気持ちになりました。

装備も不十分・スケジュール的にも無理・・・
そんなことは分かっていながら、この鳥居の先に行きたくて行きたくて、不思議とずっと眺めてしまいました。

続いて、目的だった月山8合目でご祈祷の申し込みをします。
↑の画像に移っている右側の場所でご祈祷の申し込みをし、しばし準備が整うまで待ちます。
あと、こちらでは先祖供養もお願いできると聞いていたので、3年前にがんで亡くなった母のため、供養をお願いするべく、その申し込みもしました。
おにぎりとお水、生前大好きだったお菓子類も持っていき、お供えしました。
ちなみにこの供養ですが、「出来るらしい」と人から聞いた情報で、何も分からず、そのまま正直にそのことを宮司さんにお話しを聞いたところ、
塔婆供養の受付であれば祝詞(のりと)もその場であげてもらえるとのことでしたが、スケジュールの都合などもあり、今回は1000円をお支払いし、翌日の朝にお供えものと共に供養をお願いする形にしました。
金額について、塔婆供養として祝詞(のりと)をあげてもらうには、5000円~となるようです。
こちらは下記公式サイトでも記載ありましたので、気になる方はサイトをご確認&直接のお問い合わせをおすすめします。
ご祈祷をしてもらって

ここはご祈祷をしてもらった感想なのですが、母の供養もお願いした後だからなのか、ご祈祷中、何故か分からないけど涙が止まらなかったんですね。
月山でのご祈祷は初めてですが、ご祈祷自体は経験があり、こんな経験は初めてですごく不思議な感覚でした。
月山が「祖霊が鎮まる山」として崇められているからなのか、はたまた先祖供養として来てくれたことに対して母が喜んでいるのか…。
真相は分からないにしろ、生前の一番つらい時にあまり何もしてあげられなかった後悔もあり、色んな感情が涙として溢れたのかもしれません。
ご祈祷を同じ時間帯に申し込んでいた60代くらいの夫婦や単独で登ってこられたとみられる男性など、6・7名くらいいましたが、宮司さんが祝詞を奏上している時にズルズル鼻水をすすって泣いていたのは私だけ。
若干、「ああ、ごめんなさい、せっかくの祝詞が私の鼻水のズルズルで…」という思いもありましたが、ご祈祷が終わると、本当にすっと心が整い、すっきりとした気持ちになりました。
月山8合目から湯殿山へ移動

時刻は12時30分。
11時に「御田原参篭所」に到着し、ご祈祷の受付とご祈祷をしていただき、絶景の景色を撮り、「月山レストハウス」で昼食もとり、大体の滞在時間が1時間30分。
これから湯殿山に向けて出発します。
湯殿山神社の駐車場まで約1時間10分の予定です。
来た時に大変だったあの急カーブで道幅の狭い道を、今度は下っていきます。
あとは湯殿山だけですが、ここからも気合を入れて行きます。
湯殿山神社 駐車場到着

時刻は14時前。湯殿山神社 駐車場に到着しました。
(仙人沢駐車場)というらしいです。
ここに来るまでの入り口ゲートで車の通行料400円を支払います。
支払ったときにその受付の男性の方に、「今ちょうど湯殿山本宮まで行くバスは14時10分に出発するからね」と本宮に行くバスの時間まで教えていただき、親切だなあと感動。
なお、この写真の鳥居の先へは一般車は通行できません。
歩いて湯殿山本宮を目指すか(徒歩20分)、駐車場から出ている参拝バスで本宮を目指します。
駐車場に車を停め、参拝バスの乗車券を買います。

こちらで参拝バスの乗車券を買います。
大人片道 200円・往復 400円となります。
私は往復を買って2枚分乗車券を持って、いざ乗車します。

バスの時刻表ですが、平日であれば40分間隔・土日は20分から30分の間隔で発着されております。
ただ、平日の12時~13時は運転士さんの休憩のためバスは走らないのでご注意を。

時刻表の画像などを取り忘れておりました…。
湯殿山本宮で見たこと・体験したことは話してはならない

さて、バスに乗り、本宮まで約5分で到着。
しかし、ここから先のことは話せません。
「語るなかれ」「聞くなかれ」
湯殿山は出羽三山の奥の院であり、古来から続く厳しい決まりがあり、湯殿山本宮は写真撮影禁止、土足厳禁、そして見たもの・感じたものは人に話してはいけません。
その厳しい戒めは、あの松尾芭蕉も守り、句にも具体的な表現は避けております。
「語られぬ 湯殿に濡らす 袂かな」
実際に松尾芭蕉が湯殿山を参拝して詠んだ句がこちら。
どういうことなのか、ぜひ、あなた自身が体験してみてください。
湯殿山から仙台まで帰る

本宮から参拝バスで駐車場まで戻ってきました。
時刻は15時すぎ。
ここから仙台に帰る。結構疲れております。
でもあとは帰るだけなので、いつも通りゆっくり休みながら帰ります。
高速を使って約1時間40分。
帰ったら美味しいラーメンでも食べて帰ろう。
そう思いながら車を走らせて大体17時30分すぎには仙台に到着しました。
まとめ:月山~湯殿山 参拝の所要時間(目安)

2日目の月山神社・湯殿山神社の参拝の所要時間をまとめました。
実際のタイムスケジュールはこんな感じでした。
- 8時00分:天童駅前 出発
- 10時40分:月山8合目駐車場 到着
- 11時00分:月山8合目 「中の宮 御田原参篭所」到着
- (月山8合目 参拝・昼食など)
- 12時30分:月山8合目駐車場 出発
- 14時00分:湯殿山駐車場 到着
- (湯殿山本宮 参拝)
- 15時00分:湯殿山駐車場 出発
- 17時30分:仙台駅 到着
1日目同様、移動時間はグーグルマップで出た時間の約30分はプラスで見積もっておいた方がいいです。
高速移動が続くので疲れが溜まる前に休んだりしたので、ナビの単純計算だけでは行けませんでした。

1日目と同じことを言いますが、32歳のオフィスワーク中心の体力のない女のリアルがこんな感じ。
きっと慣れている人はもっと早いスケジュールで動けると思います。
出羽三山参拝に役立つ持ち物リスト

最後に、持ち物のリストも簡単にですがまとめたので、参拝の時に参考にしてみてください。
夏場に行く用になってしまいましたが、参考程度にご確認ください。
基本的な持ち物
あると安心な持ち物
参拝ならではの持ち物
まとめ

出羽三山参拝について、昨年は羽黒山だけの参拝となりましたが、今回は1泊2日で三山を周ることが出来ました。
それを通して思うことは、三山すべてを巡れたこと、凄く良かったなと思いました。
羽黒山神社の参拝だけじゃ分からなかった、三山すべてを巡れたからこその感情・心境の変化・気づきがありました。
一番印象深かったのが、やっぱり「月山」でしょうか。
筆者は山登りの経験はなく、山に関してなんの知識も無いのですが、おそらく標高が高い山にある神社ということで、霧が凄くて雨だろう。
とすごい覚悟を持って行きましたが、まさかの晴天で、本当に感動しました。
自分の目線にさえぎる建築物がなく、空と雲が一面に広がっている光景って、普段暮らしていて無いじゃないですか。
登山が趣味の人の気持ちも分かりましたし、その経験が出来たことに本当に感謝だなあと思いました。
もしかしたら「そんなのいつでも行けるでしょ」と思う人もいるかもしれません。
だけど、現実的にも月山・湯殿山は参拝できる時期が限られております。
(月山は例年7月1日〜9月中旬まで・湯殿山は例年6月1日から11月3日頃まで)
また、行こうと思っても、その日に体調を崩す・都合が付かなくなり行けなくなる・雨風が強くたどり着くのが困難…などなど、行けなくなってしまうことだって普通にあります。
それが、今日という日を無事に迎えられ、天気も良く、神様に日頃の感謝をお伝えできたことが凄く良いなと心から思ったんです。
今回、初めての三山を巡りましたが、まだ月山は頂上に行っておりません。
また、月山~湯殿山を縦走ルート(今回は一部道が通行止めのためという情報がありました)も行ったことがありません。
きっと、今回ご紹介したルートやスケジュールより、もっと快適な計画もあると思います。
なので、今回だけで満足せず、これからも自分のレベルを上げていき、出羽三山について行き方を様々なルートから解説できるようになりたいと思います。
おまけ
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